【書評】20歳のときに知っておきたかったこと:ティナ・シーリグ|要約

20歳の時に知っておきたかった!

20歳とは言わずとも、早ければ早いほど今後の生き方によい影響があると感じる本です。

私はこの本を自己啓発に近いビジネス書だと考えていて、広く効率よく学べる一冊だと思います。

これから就職活動など、新しいことに挑戦しようとしている人、特に学生におすすめの一冊です。

今回はこの中でも考え方や気持ちの面にフォーカスします。

結論

今回紹介する中で本書で学べることは以下の心構え。

  • 広い視野を持つ
  • 失敗は挑戦の証。たくさん失敗するべき。
  • 気が熟すことはない。チャンスは自分で掴む。

言われると至極当然なのですが、なかなか踏み出せませんよね。

本書を読むと行動している自分をイメージしやすくなり、ハードルが下がると思います。

自分の殻を破ろう・広い視野を持つ

2時間で元手の5ドルを増やす方法を考えてください。

著者がスタンフォードの学生に出した演習です。

宝くじを買う、ラスベガスに行く、レモネードスタンドを始めるなどのありがちな答えだけでなく、

生徒たちは遥かに上をいく方法を見つけていました。

元手の5ドルに手をつけず、優勝チームは600ドル以上を稼ぎ出したのです。

人気レストランに代わりに並んであげたり、自転車の空気を入れてあげたり、

その方法は様々です。

こうした演習から学べることは3つ

  • チャンスはいくらでもある。いつでもどこでも身の回りをじっくり観察すれば解決すべき問題が目に入る。
  • 問題の大きさに関係なく今ある資源を使って創造的に解決することは常に可能である。
  • 私たちはたいてい問題を狭く捉え過ぎている。

元手の5ドルから考えがちですが、視野を広げるとそんなものなくとも課題を解決でき、

利益を得ることができると教えてくれる事例です。

失敗は挑戦の証・失敗から学ぶ

何か新しいことをするとき、最初は失敗するのが常でつまずくことは避けられない。

成功の秘訣は何かを試すたびにどれだけ教訓を引き出しその教訓をもとに

次の段階に進めるかどうかが重要です。

『失敗の履歴書』のようなものを書き、更新していくことで反省点が明らかになり、

失敗に向き合える確固とした自分を持つことができます。

失敗の履歴書 例)

注意力が足りなかった。駆け出しの頃は組織の仕組みをわかったつもりになっていた。
企業文化を正しく理解していなかった。
頭であれこれ考えるのでなく、もっと観察に時間をかければよかった。

人間関係がうまくいかなかった。博士課程の時のアドバイザーとの関係に疲労した。
私は教育に時間をかけたかったが、アドバイザーは研究に時間を取るべきだと考えていた。
二人の目標を擦り合わせればよかった。

チャンスは自分で掴む

人間は2つのタイプに分かれる。

自分のやりたいことを誰かに許可されるのを待っている人たちと、自分自身で許可する人たちです。

そして自分でチャンスを掴みに行った方が良い面がたくさんあります

何かを成し遂げようと思ったらその方向に動き出すし、自分にそうする許可を与える。

チャンスは常にあり、見つけられるのを待っています。

その勇気や意欲がリーダーと指示待ちの一般人との違いなのです。

そのために起業家精神をもつ必要があります。

起業家精神とはリーダーシップやチームづくりから交渉やイノベーション、

意思決定に至るまで人間が生きていく上でカギとなるような幅広いスキルを開拓すること。

この精神はどんな職業でどんな役割を果たすにしろ重要な考え方であります。

社会で活躍するためには向上心や自らが先頭に立つという気概が必要です。

転用

自分の人生がうまくいっていないと思っており、その原因を知りたい場合は

常識を疑う演習を自分自身に試してみることを著者はお薦めしています。

自分の時間をどう使っているのか、自分が当たり前だと思っていることことを全て挙げていき、

「事前」リストを作成するのです。

毎朝何時に起床しているのか、何曜日に何時間働いているのか、、など

自分の生活について思いつく限りのことを挙げて長いリストを作り、

自分が当たり前だと思っていることを明らかにするのです。

次に全ての項目について別の選択肢を考え、「事後」のリストを作ります。

例えば、「毎朝20分の運動をしている」とすると、その内容を変更し、「全く運動しない」

「ジムでトレーニングする、犬と走る」というように、変更してみるのです。

当たり前を入れ替えてみるだけで自分の人生に変化が起こり、刺激的になります。

自分の人生が好転していくのを感じることができるはずです。

まとめ

ここでは考え方や気持ちの持ち方について要約しました。

失敗をたくさんする、挑戦する、などの言葉は多くの本で言われていることですので、正直新しくはないです。

しかし本書では大学での演習を例に挙げており、現場のビジネスシーンをイメージしやすいため

頭にスッと入ってきます。

その事例から学べることも多いため、向上心のある方にはおすすめです。

また本書では課題の見つけ方や課題に直面した時の考え方など、より具体的なことも記されているので

成長に貪欲な方は是非手にとって読んでみてください。