【戦略・ビジネスモデル】小売の帝王ウォルマート

世界一の売上高を誇るウォルマート。

日本に住む我々にとっては馴染みがなく、あまりピンとこないと思います。

創業者サム・ウォルトンの本を読んでいると、この企業の面白さであり、

異常さを感じましたので今回はそんな大企業ウォルマートについて分析していきます。

ウォルマートとは

1962年に創業者であるサム・ウォルトンがオープンした世界最大のスーパーマーケットです。

2022年度の通期決算では売上高が5728億ドル(約62兆円)と発表されました。

日本にはウォルマートの店舗はないのであまり馴染みがありませんが、

ウォルマートは世界一の売上高を誇る企業なのです。

世界企業番付 「Fortune Grobal 500」 2021年版が発表。Walmartが8年連続の1位、Appleは6位に

結論

  • 徹底した低価格
  • 改善の積み重ね
  • DXの活用

以上の3点が他の企業を突き放す成功要因と考えます。

スーパーマーケットの企業であるウォルマートが

なぜここまで大きくなったのかについて以下で分析していきます。

ウォルマートの戦略

徹底した低価格

ウォルマートの特徴として、『低価格』が挙げられます。

サム・ウォルトンは競合よりも低価格で販売するために家賃や経費、

店の内装などを抑え、その全てを商品の価格に反映させていました。

資本が無いため人口の少ない小さな町に出店を繰り返し、

徐々にコスト優位性を身につけていったのです。

改善の積み重ね

創業者のサム・ウォルトンは店舗の更なる改善にこだわり続けており、

毎日のように競合店舗の視察に訪れ、良い点を取り入れていました。

悪く言うと徹底的にパクリ続けて成長したということです。

テープレコーダーを持ち歩き、思ったことを録音して改善を試みていました。

会社が軌道に乗り始めても、競合よりも売上で上回っていても、

「より売るためにはどうしたらいいか」というマインドを持ち続けていたのです。

DXの活用

そして技術革新と共に、Amazonなどのオンラインで商品を購入できるサービスが成長してきました。

それらによって小売店は売上が下がるのが普通ですが、

ウォルマートは新たな時代の流れにもうまく対応していたのです。

コロナ禍という経験したことのない中でも売上を伸ばし続けるために、

デリバリーやオンラインでの購入はもちろん、金融やEC,ウェルネス分野えお手掛けるなど、

新たなチャレンジに対して非常に積極的な印象です。

ウォルマートのビジネスモデル(2021年2月18日の投資家向けカンファレンスでの資料をもとに筆者作成)

マーケティング施策

ウォルマートのマーケティング施策として挙げられるのは、『徹底的な顧客視点』に尽きます。

創業者のサム・ウォルトンはこれを徹底しており、安く仕入れて安く売る、

するとお客さんが口コミで広めてくれてさらにお客さんが増えるという好循環お実現していました。

これこそがマーケティングの原点にも思えて脱帽します。

商品を安く売るための努力量が本当に素晴らしいです。

ポジショニングマップ

ウォルマートのポジションとしては創業当初からの『低価格×郊外』が特徴的です。

他のディスカウントストアと違い、小さな町から低価格を広げて行ったのです。

4P分析

SNSがない時代のプロモーションとしてはウォルマートが安いという情報を与え、

実際に来店してもらい、口コミで広めてもらうしかありません。

そのために競合の値段を徹底的に洗い出し、少しでも商品を安くするために

地価の安い小さな町に作ったり、物流センターの距離を店舗間の近くにするなどの工夫をしていました。

3C分析

まとめ

今回はウォルマートという世界最大の小売企業について紹介しました。

創業当初から少しでも安く販売し、消費者に喜んでもらうために試行錯誤をしてきたからこそ、

コロナ禍でも売上を伸ばし続け、新たな挑戦ができるのだと思います。

ここにウォルマートとしての信念や意義が感じられます。

サム・ウォルトンの著書に当時の出来事やサム・ウォルトンの熱狂ぶりが示されており非常に面白いです。

是非一読ください。→→私のウォルマート商法