はじめに
Sakana AIは、2023年に設立された日本発のAIスタートアップで、設立からわずか1年で企業価値が11億ドルを超える「ユニコーン企業」として注目を集めています。この記事では、Sakana AIの特徴、事例、競合との違い、今後の期待について解説・紹介します。
Sakana(サカナ) AIとは
Sakana AIは、元Googleの研究者であるDavid Ha氏とLlion Jones氏によって設立されたAIスタートアップ企業です。
東京を拠点に、生物の模倣(バイオミミクリー)に基づいた柔軟で適応性の高いAIモデルの開発を行っています。
特徴・他社との違い
AIツールといえばChatGPTやGemini、Claudeなどが思い浮かぶと思います。
Sakana AIは上記企業とは、以下のような開発手法で特徴・差異があります。
独自の分散型AIシステム
Sakana AIは、多数の小型AIを分散的に配置し、それらを組み合わせることで効率的で適応能力の高いシステムを構築しています。
通常、大規模なデータセットと高性能な半導体を使用してAIを開発(LLM:大規模言語モデル)しますが、Sakana AIは小規模なAIを組み合わせることで効率的に高性能なモデルを生成する手法(SLM:小規模言語モデル)を採用しています。
このアプローチは、巨大な計算資源を必要とする従来の大規模AIシステムであるLLMに比べて、コストと計算リソースを大幅に削減でき、柔軟性があるという点で優れています。
- 効率性の向上
多数の小型AIを分散的に配置し組み合わせることで、巨大な計算資源を必要とする従来の大規模AIシステムと比べて、コストと計算リソースを大幅に削減可能。 - 適応能力の向上
柔軟で適応性の高いシステムを開発しているため、使用する状況に応じて最適なAIモデルを組み合わせての使用が可能。 - スケーラビリティの向上
分散型によりシステムの拡張性が高まり、より大規模な問題にも対応しやすくなる。
Sakana AI 最新モデル
2024年7月21日に最新のAIモデルを発表しました。
Evo-UkiyoeとEvo-Nishikieです。
ブログ → https://sakana.ai/evo-ukiyoe
Evo-Ukiyoe デモ → https://huggingface.co/spaces/SakanaAI/Evo-Ukiyoe…
Evo-Nishikie デモ → https://huggingface.co/spaces/SakanaAI/Evo-Nishikie…
Evo-Ukiyoe
Evo-Ukiyoeではテキストから浮世絵風の画像が生成可能です。
上記デモから試すことが可能です。
雑な指示でも教科書に載っていたような画像を生成してくれます。
Evo-Nishikie
こちらも上記デモからお試しいただけます。
Evo-Nishikieでは画像を添付しイメージの指示を与えるとそのような色合いの画像を作成してくれます。
実際に先ほどアウトプットされた鳥のUkiyoe画像で以下を試してみました。
完全に指示通りになっているかといわれるとそうではないですが、これはインプットの画像がちょっと悪かったかもですね。
3枚目はまあまあ要望通りの画像がアウトプットされました。
完全に指示通りにいかない点について、錦絵の特徴なのかもしれないですね、、
まとめ
Sakana AIは、生物の模倣に基づいた分散型AIシステムの開発手法を持つスタートアップとして、設立からわずか1年でユニコーン企業となるなど、急速に成長しています。
最近進化が目覚ましい生成AI市場似て、Sakana AIの技術がどのように進化し、どのような製品やサービスが登場するのか楽しみですね。
今後も企業の状況を追っていきたいと思います。