最高のアウトプットを出す思考法、『ミニマム思考』
今回は大嶋祥誉さんの著書『マッキンゼーで学んだ「段取り」の技法』を紹介します。
マッキンゼーでコンサルタントとしての経験を持つ著者の大嶋祥誉さんは、
そのハイレベルな環境において思考と技法を叩き込まれ、
高いパフォーマンスを出すことができたといいます。
本書では大嶋さんが実際に取り組んでいたその思考や技法、仕事に取り組むための
『段取り』を説明してくれています。
仕事をもっと効率的にこなしたい、残業を減らしたいという人におすすめです。
コンサルタントに限らず、全員が取り組めるものなのでぜひ一読ください。
結論
- ミニマム思考を身につける
- 仮説を持つ
- 全体設計を考える
- アウトプットにこだわる
以下で具体的に紹介していきます。
ミニマム思考
ミニマム思考とは最小の力で最大の成果を得る思考法です。
今集中すべき最も重要なことに取り組み、仕事の段取りをすることで、
質もスピードも自然とアップし、ゴールに向かって確実に成果を出すことができるのです。
仕事の結果は「はじめる前に」決まっている
大嶋さんは段取りは「バリュー」を決めることからはじまる、と言います。
平易な言葉でいえば、自分または相手にとってのメリットのことです。
そのバリューを意識することで結果が変わるのです。
バリューが明確になっていない仕事は無駄が多く、迷走することになります。
したがって、仕事の準備段階で結果は出ていると言っても過言ではないのです。
最初にバリューを決めたらそれを実現するために具体的な段取りを組む必要があります。
そしてバリューは全て「仮説」から生まれるのです。
バリューを生み出すための段取りを組む上で必要不可欠な技術が3つあります。
- 仮説を立てる技術
- 全体を設計する技術
- アウトプットをデザインする技術
この3つの技術がミニマム思考の基礎となります。
![](https://get-smarter-everyday.com/wp-content/uploads/2021/07/tingey-injury-law-firm-9SKhDFnw4c4-unsplash-1024x683.jpg)
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あらゆる仕事に「仮説」をもつ
仮説とは「バリューを実現するための仮のアイデア」のことです。
仮説を立てればやるべきことが絞られ、より具体的になります。
買い物のシーンに置き換えてみます。
パソコンを購入したいときに、「なんとなくパソコンが欲しい。」と
「持ち運べるパソコンがいいのでは。」ではお店で見る場所が変わってきます。
前者ではデスクトップなども見るかもしれません。
また店員さんにも、「ノートパソコン」という具体的な質問ができます。
仮説を意識していないと、どこから手をつけるべきか分からなくなります。
仕事の場面においても、「こうすれば課題を解決できるのではないか」という
仮説を立てて検証し、結果が出なければ次の仮説で検証することが重要になります。
これが「仮説を立てる技術」です。
「全体設計」が最短のルートを示す
質の高いバリューを生み出すために仮説に沿って、
全体の段取りを組み立てることを「全体設計」といいます。
「バリューを出す」というゴールに向けて全体から俯瞰できるような地図を描くのです。
ゴールに向けてすべきことの道のりを最初の段階で明らかにしておくことで、
最終成果物から逆算してやるべきことが明確になり、段取りよく仕事を進めることができます。
全体設計図をベースにして仕事全体のスケジュールを意識しながらTo Do Listを作ることが重要です。
全体像を把握して常にそれを意識して仕事を進める、これが「全体を設計する技術」です。
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「アウトプット」がバリューを左右する
そしてどんな仕事にも期限があります。
限られた期限の中で最高のパフォーマンスを生み出すために、
仕事に取り掛かる前からゴールイメージを描くことが重要です。
「自分の最終アウトプットは何か?」という質問に明確に答えることができるようにするのです。
そしてアウトプットはより具体的にすることが好ましいです。
「お菓子を作る」よりも「ショートケーキを作る」の方が材料なども決めやすく、
製造のプロセスも見えてきます。
その成果は「空・雨・傘」のフレームワークを用いると考えやすいです。
- 空:現状はどうなっているか(事実)
- 雨:その現状は何を意味するか(解釈)
- 傘:その意味合いから何をするか(行動)
この空・雨・傘のフレームワークを用いてアウトプットをイメージし、
仮説の検証や全体設計を進めていきます。
そしてアウトプットは必ずしも100%を目指す必要はなく、80%のクオリティを目指すべきです。
80%から100%にするには莫大な労力を必要とするため、時間がかかってしまうためです。
そのほかにも、上司からの仕事やその時の緊急度などによってどこまでアウトプットするべきか、
クオリティとスピードのどちらを優先すべきかが変わってくるため、
成果物のイメージのすり合わせが重要になってきます。
このように最終成果物の具体的なイメージを持つことで無駄なことをしない、
そして期待に沿った成果を出すために
アウトプットをデザインする技術が重要になってきます。
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転用
本書の内容から個人的に実生活に取り入れやすいものを紹介します。
本書は『段取り』というタイトル通り、事前に考えることを前提としています。
それが仮説です。
仮説と聞くと頭が良い人しかできないと思うかもしれませんがそんなことはありません。
勉強をしようとカフェに行くときに、今は混んでいそうか、
もし満席だった場合どうするかを事前に考えていると、
カフェの前でどうしよう、、と悩む時間がなくなります。
仕事のことにおける仮説は経験や知識が大事になってきますが、
実生活からこのような仮説をぼんやりと考えるだけでも、
仮説を立てるという経験になると思います。
仮説を立てるという第一歩を踏み出すと全体設計やバリューをイメージするという点は
比較的取り組みやすいと感じます。
まとめ
今回は大嶋さんの仕事に対する具体的な考え方である『段取り』について紹介しました。
たくさんの仕事をこなすには仕事を始める前の思考法から変えることで効果があることがわかります。
仕事中のやり方を改善しようとして、取り組む前に着目していなかったです。
アウトプットの質も自分の時間も大切にしたい人にはぴったりの方法だと思います。