反応しない練習

【書評】反応しない練習

あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」

今回は草薙龍瞬さんの著書 『反応しない練習』を紹介します。

僧侶である草薙龍瞬さんは実用的な仏教の本質を

生き方全般にわたって伝える活動をしており、

本書は万人が抱える「さまざまな悩み」からの解放を目的としています。

悩みやストレスを抱える現代人にとっての指南書になると思いますので

ぜひ一読ください。

結論

  • “ムダな反応”をしないことで悩みから不満や嫉妬から解放され心が軽くなる
  • 「反応しない」は日々の練習によって身につけることができる

以下で一部を紹介します。

どんな悩みも解決できるシンプルな”考え方”

私たちは日頃から悩みを抱えています。

  • 仕事に追われて心に余裕がない
  • 今に満足していない、先のことを考えると不安
  • 嫌な相手がいる。ストレスを感じる

などが挙げられ、どれも解決するのに周囲の協力や時間を要するように見えます。

しかしそんなことはなく、これらを全て根本的に解決できる方法があるのです。

それは“ムダな反応をしない”ということです。

上記の悩みは“心の反応”によるものからきており、

反応しなければ悩みになり得ないのです。

“反応しない”とは、無理して我慢することや無視・無関心に徹することではありません。

悩みを増やすムダな反応を最初からしないこと、暗い気分をリセットすることです。

これをブッダの教えである、

「心のムダな反応を止めることでいっさいの悩み・苦しみを抜ける方法」

をもとに練習していくのことで”反応しないこと”を身につけることができます。

悩みを無くそうとせず「理解する」

悩みを解消しないといけないと思えば思うほど、

新たな悩みが発生したり、自分を追い込んでしまうことになります。

無理になくそうとせず、まずは「自分にはこのような悩みがある」ということの理解に徹します。

それから「この悩みの正体は何か」という点を考えていくのです。

  1. 悩みがある
  2. 悩みには理由がある
  3. 悩みには解決策がある

と順を追って理解していくことでどんな悩みも確実に解決できるのです。

その問題の「理由」に着目する

なぜそのような悩みを抱えたのか、理由を探ることから始めます。

すると「この悩みは承認欲求からくる不満なのだ。」というように理解できます。

「自分には承認欲求がある」と、言葉で客観的に理解するように努めることで

反応が静まってくるのです。

言葉で表し客観的に捉えることで反応から抜け出せ、心は落ち着きを取り戻します。

ムダに「判断」しない

判断をやめれば人生は流れ始める

人が悩む理由として「判断しすぎる心」があります。

「決めつけ・思い込み・不安・失望」などが挙げられます。

こうした判断は不満や心配事などの悩みを作り出してしまいます。

まずは「いい・悪い・好き・嫌い」という判断をやめましょう。

この判断をやめた時、今まで「判断」に支配されていたことを実感するはずです。

特にどのような状態であっても自分を否定するという判断は手放すこと。

「自分は何をしてもダメ…」というように考えずに、

今何をすべきか、できるかという「この瞬間」だけを考えるようにしてください。

「つい判断してしまう」からの対処法

対処法として、まずは判断に気付くことです。

「今日はついていない」「あの人は嫌い」「自分はダメな人…」などと

頭によぎったら、「あ、判断した。」と気づいてください。

判断に気付き、自分の心の内を見ることで、

次第にムダな判断から解放されます。

マイナスの感情で「損しない」

ブッダは、腹が立つようなことを言われても反応せずに

相手を見据えて理解することに徹していました。

「反応して心を乱されることは無意味である」と理解していたのです。

人は持っている脳が違うため、考え方が異なるのは当然です。

相手の反応と自分は分けて考え、相手の反応は相手に委ねるのです。

これが人間関係で悩まないための基本であるといいます。

過去は「忘れる」—記憶を相手にしない

過去の出来事を引きずり、その相手にも嫌な感情が浮かぶことがあると思います。

「過去を引きずる」ことは「記憶に反応している」ということ。

過去を思い出して「記憶」に反応して新たな怒りを生む、

これが怒りが消えない原因であり、相手は関係ないのです。

そのような記憶が蘇ったら、「これはただの記憶、反応している自分がいる」

などと、冷静に理解して感情を鎮めるようにしましょう。

転用

  • 自分の感情を客観視する
  • 自分と相手を切り分ける

まずは自分の感情を客観視することが大事です。

「今イライラしているな、なぜイライラしたんだろう」というように

自分の心が動いた理由を客観的に探ります。

その場では「なんとなく腹が立った」と考えるかもしれませんが、

なんとなくで流さずに、客観視することで心が鎮まります。

そして自分と相手を切り分けて考えることです。

自分はこう思うから相手はこうであるという判断はムダです。

逆に、相手からの「決めつけ」なども間に受ける必要はありません。

そのような判断から自分を追い込んだり他人と衝突するため、

ますます心が反応し、悩みを抱えるようになると思います。

まとめ

ブッダと聞くと厳しい制約を乗り越えて悟りをひらいたイメージでしたので、

できるものならやってみたいが、どうせ一般人には無理だろう

という「判断」をしていました。

本書を読み進めていると自分に当てはまることが多くあり、

いかに外的要因によって生きているかを知りました。

周囲の環境や人も変わる中で変わらないのは「内なる自己」。

悩みから解放されるために”反応しない”練習を取り入れていきます。