新しい分野を開拓してゆく事こそ、ソニーの進むべき最善にして
唯一の道であると、私は確信している。
本書から引用
今回はソニーの創業者である井深大さんの著書『自由闊達にして愉快なる』を紹介します。
『私の履歴書』という連載の中から再掲したもので、井深さんの口調で書かれたストーリーです。
現在では世界中で名が知られているSONYはどのようにできたのか、
井深大とはどのような人なのかを学ぶことができる本です。
そして我々日本人の癖や傾向を井深さんは捉えており、
現代を生きる我々にも気づきを与えてくれる内容に感じました。
結論
井深さんとはどのような人かを結論として出します。
- 衰えない探究心・好奇心
- 理屈よりも感性
- 顧客思考
この3点に特化した人なのかなと感じました。
以下で詳細を記載していきます
衰えない探究心・好奇心
中学生の頃に無線や機械いじりにハマり、成績が落ちたようです。
ここから彼のモノ作りへの好奇心が生まれたのだと思います。
この探究心・好奇心は彼が亡くなるまで衰えていなかったといいます。
当初は軍や役所や放送局から与えられた仕様書によって作ってきたものばかりでした。
現状に満足せず新しいものを作りたいと考えていた井深さんにとって、
大衆向けの商品に非常にやりがいを感じたようです。
作りたいモノを作るとすぐに次のモノに情熱が移り、新しいことをするのです。
この気持ちが無理難題と思われたモノ作りを可能にした要因であることは間違いありません。
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難しいからこそやる価値がある
ラジオを作ろうとした際、アメリカの会社にラジオの難しさを聞いていましたが、
井深さんは「難しいからこそ我々がやる価値があるのだ」と思い直し没頭しました。
結果的にトランジスターラジオの商品化に成功したのです。
この成功がなければ日本のトランジスターラジオによる成長や
今日のソニーの成長はあり得なかったといいます。
まだこの世にないもの、難しいことに臆せず取り組む姿勢は
とりあえずやってみるという井深さんの生き方が表れていると思いました。
頭で考えて無理、ではなくて実際にやってみることが重要であるということです。
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知識や理屈より感性を育てよ
井深さんは頭だけで理屈をこねて「できません」というのを嫌っていたようで、
まずはやってみようという姿勢を貫いていたようです。
この姿勢があったから今までにないもの、難しいと言われていたことを成し遂げることができたのです。
不完全なところより良い点を見て可能性を見抜くという能力が井深さんの凄いところです。
日本の教育についても、知性ばかりでなく感性を育てる教育を進めるべきだと考えていたようです。
自分の欲しいものを作る——ターゲットドリブン
井深さんは常に目標が明確で、技術者にもイメージしやすくベクトルが一致したといいます。
そしてその目標は自分の好奇心や興味に基づいており、
結果的に大衆の潜在的なニーズと重なっていたのです
カラーテレビやウォークマンは井深さんの好奇心から生まれたもので、
こんなモノを作りたいの一心で技術者を引っ張って成功したのです。
そして東通工の設立趣意書から、人々の生活をより豊かにするための技術こそ価値がある、
という井深さんの思想が読み取れます。
このような思想を持っているから新しいライフスタイルを作ることができたのです。
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転用
井深さんの生き方から、できないと決めつけないことが重要であると学べます。
そして転用として、とりあえずやってみるという行動が1番いいと思います。
100点を目指してやろうとすると絶対に挫折してしまうので、
何か一つでも学ぶ、という考えでいいと思います。
ここが難しい、ここは意外と簡単、こうした方がいい、などの発見です。
やってみるとハマり、好奇心が生まれることがあります。
やはりなんでもやってみて、興味を持つものを探すところから始める必要があると感じました。
そして没頭しているうちにその分野の感性が磨かれるのだと思います。
不可能と思えたことも、人によっては可能にできるかもしれない。
井深さんがこれまでに作ってきたモノからそのようなことが学べます。
まとめ
井深さんは技術力はもちろん、衰えない探究心・好奇心のままに動いてきた人なのだろうと感じました。
そして自分が達成したい目標に一直線に進んでいくことができるブレない軸を持っている人です。
前回の稲盛和夫さんもそうでしたが、日本を代表する経営者は人を大切にしています。
何事も1番重要なのは人であって、事業や商品は付け足しに過ぎない。
という考えが根底にあるようです。
世界的な会社のストーリーや経営者の人格には学ぶことがたくさんあります。
半世紀以上前からこんなことに気づいていたのか、と脱帽します。
ソニーの精神を知りたい人にはおすすめです。