売上最小化、利益最大化の法則

この本を読むと会社の無駄が分かり、社員と顧客の全員がハッピーになれます

北の達人コーポレーション代表取締役社長の木下勝寿さんの著書です。

木下さん率いる北の達人コーポレーションは29%もの高利益率を出している会社です。

この本ではそのような高利益率を出すことができるようになる考え方から、

実際にどのように業務に落とし込んでいるのかというところまで詳細に教えてくれます。

北の達人?聞いたことない、と思われた人が多いと思います。

それは木下さんにとっては褒め言葉で、うまく事業を行うことができている証拠である、といいます。

それは一体どういうことなのでしょうか。

そしてどのように高利益を出しているのでしょうか。

以下で記載していきます。

北の達人コーポレーションとは

健康食品や化粧品ブランド「北の快適工房」を展開している会社です。

北海道に本社があり、主に北海道の特産物による商品を開発提供しています。

”ビックリするほど良い商品ができた時にしか販売しないこと”をコンセプトにした、

健康食品・化粧品のブランドを扱っています。

コンセプト通り、実際にスタッフが使ってみて効果があったものしか販売しないという、

高品質な商品を提供している会社です。

リピート率が高く、熱狂的なファンがつきやすいとのことです。

そんな北の達人が取り組んでいる施策を以下で紹介していきます。

https://www.kaitekikobo.jp/

無収入寿命を算出する

会社が経営していくために大事なのは従業員の存在です。

そんな従業員を守ることを優先的に考えているようです。

そしてその指標というのが無収入寿命というものです。

無収入寿命とは、売上がゼロになっても経営の現状維持ができる期間を指す、木下さんの造語です。

つまり、純粋な手元資金で家賃や給料などの固定費を何ヶ月分賄えるかということです。

この会社の寿命を知ることがまずは重要であるといいます。

そしてこの無収入寿命の目標は会社によってさまざまで、北の達人では24ヶ月を保つようにしているそうです。

たとえ今から売り上げがゼロになっても、手元の資金で24ヶ月間は社員を雇い続け、

会社を存続させることができるということです。

この余裕を持つことが経営においてまずは重要であり、最初に意識するべきことであります。

同じ利益なら売上は少ないほうがいい

以下の企業、A,Bでどちらが良い企業か。

  • A社:売上100億円で営業利益3億円
  • B社:売上10億円で営業利益3億円

一般的には売り上げが大きいほうが「いい会社」とされるが、利益率で見ると3%と30%。

不景気やアクシデントによって両社共に売上が10%下がったとすると以下の図のようになる。

本書を元に筆者作成

B社は営業利益が2億5000万円になり営業利益は27.8%と高収益を維持できているが、

A社は営業利益がマイナス2億円と赤字に転落する。

同じ利益であれば売り上げが少ないほうがリスク耐性が高いということがわかります。

5段階利益管理

では利益を高めるにはどうすればいいのか。

それは利益率の高い商品のみを存続させていくしかありません。

そのために必要なのは5段階利益管理です。

5段階利益管理とは、利益を商品・サービスごとに次の5段階で見える化する方法です。

  • 【利益①】売上総利益(粗利)
  • 【利益②】純粗利(造語)
  • 【利益③】販売利益(造語)
  • 【利益④】ABC利益(商品ごとの人件費)
  • 【利益⑤】商品ごと営業利益

どんな業務にも潜む「隠れコスト」をあぶり出し、削減することで会社を利益体質に変えることができます。

表で見ると分かりやすい。

上の表のように全体の売り上げを占める商品ごとの利益率を出します。

最終的に営業利益率の高い商品を成長させていくことで無駄なコストを削減し、

利益に直結する結果を出すことができます。

上記の表からは商品③は売上は1番低いが手間がかかってなく、最も利益を出している最優良商品。

このように利益を商品ごとに5段階で見える化することで強みや弱みが一眼でわかります。

北の達人の取り組み

以上のことから北の達人コーポレーションは徹底的に商品を比較し無駄を排除してきたといえます。

ここで冒頭の話に戻ります。

“有名でないことが褒め言葉”ということから、北の達人は

『適切な人にマーケティング施策を打つことができている』ということです。

その課題を課題と感じていない人に知ってもらう必要はないのです。

ですから本当にお客さんとなりうる人に情報が届くような広告であったり、

マーケティング活動をしており、関係のない人にはお金をかけないようにしているのです。

お金の管理を徹底しているのですね。

私たちがすべきこと

まずは自社の無収入寿命を算出し、その額を貯めることから始めることになると思います。

毎月の固定費を把握し、その分の余裕を持つことで会社としてチャレンジしやすくなるからです。

そして商品を取り扱っている場合は上記の5段階利益管理を行うとよいでしょう。

力を入れていた商品が意外と利益率が低く、むしろ足を引っ張っているということも分かるはずです。

上記の表を参考にしてみてください。

まとめ

高利益を上げようとするこの思考は、上記のように会社のお金の管理だけでなく、

一般的な生活にも使えそうだなと感じました。

毎月の固定費からどのくらい貯金があればいいか、無職になっても生き残れる期間はどれくらいか

などを知ることができ、逆算して取り組むことができるからです。

正確な数値は出せないかも知れませんが、適切かどうかを判断するのには役に立ちそうです。

そして今回紹介したのは高利益を出すための管理方法やお金の使い方の表面的な部分のみでしたが、

本書では、高利益な商品の見つけ方、マーケティングへの取り組み方など、

北の達人の内部のことが記されています。

大企業、中小企業関係なく、全ての人にとって必要な考えだと思いますので

ぜひ読んでみてください。

特に自分のブランドやD2Cなどに取り組みたい方には必見かと思います。

チェックしてみてください。