道をひらく|松下幸之助

経営の神様と言われる松下幸之助。

日本の成長があったのは松下幸之助のような偉大な経営者のおかげとも言えます。

今回紹介する『道をひらく』は1968年に発売され、2014年に累計発行部数520万部を達成したベストセラーです。

本書は文章が続いているのではなく、過去の機関紙に掲載された短文をまとめている本です。

その短文には人間関係や働くにあたっての心構え、楽しみ方が松下幸之助の言葉で記されており、

多くの人にとって指針となると思います。

以下では私が気に入っている部分を軸に抜粋して紹介します。

まとめ

本書で核心となる考え方は以下の3点と考えます。

  • 謙虚で素直になる
  • 人を大切にする
  • 向上心を持つ

この3つの軸に関することが多くの短文に含まれていると感じました。

松下幸之助とは

松下電器の創業者であり、電化製品でおなじみパナソニックグループの創業者です。

その手腕から経営の神様と言われ、たくさんの書籍を残しています。

「松下電器は何をつくっている会社か」という質問に、

『人をつくるところでございます。合わせて電気製品をつくっています』という逸話は有名です。

この逸話から分かる通り、彼は人をとても大切にしていました。

社員、顧客の全てを大切にしていたため多くの人に信頼され、素晴らしい実績を積み重ねていきました。

そんな彼だからこそ、亡くなった現在でも『経営の神様』と言われ、多くの人に尊敬され続けているのです。

自分には自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。どんな道かは知らないが、ほかの人には歩めない。

人には人の人生、道というものがあり、自分には自分のそれがある。

人の道に心を奪われ立ちすくんでいても自分の道は少しもひらけない。

自分の道を一生懸命に歩むことで新たな道がひらけてくる。

これは今、目の前のことに一生懸命になることを教えてくれる短文。

人の結果を羨ましがるだけでは自分は何も成長せず、思い悩んでも無駄であるから

今自分がすべきことをしろ、という解釈で捉えています。

他人ではなく自分の人生を生きることが心身ともにベストであると感じます

真剣勝負

人生は真剣勝負である。だからどんな小さな事にでも、生命をかけて真剣にやらなければならない。

普段の心構えを考えさせられる一文。

竹刀でも木刀でもない真剣で取り組むからこそ、一太刀が命に関わる。

勝つか負けるかではなく、生きるか死ぬかになる。

それくらいの覚悟を持って日々を生きていきたい、という意味です。

心のスキをなくし何事にも真剣に取り組む重要性を教えてくれます。

心の鏡

自分の周囲にある物、いる人、これ全て、わが心の反映である。わが心の鏡である。

すべての物が我が心を映し、すべての人が、わが心につながっているのである。

外見を整えるためには鏡を用いて今の状態を確認できる。

自分の心のゆがみを写す鏡はない。だから自分の考えや振る舞いの誤りを自覚しにくい。

しかし周囲をよく見て声を聞き、謙虚で素直な心を持てば、自分の周りの人・物は全て自分の心の鏡となり、

自分の行動がそこに映し出される。

私はこれを用いて、自分の幸福度と周りの人の幸福度は相関関係にあと考えています。

目の前の人を楽しませれば自分も楽しくなるし、幸せなら自分も幸せを感じることができるからです。

人と交流することで今の自分の状態を確認し、常にアップデートしていくことの重要性を学べます。

思い悩む

わからなければ、人に聞くことである。己のカラにとじこもらないで、素直に謙虚に人の教えに耳を傾けることである。

それがどんな意見であっても、求める心が切ならば、そのなかから、おのずから得るものがあるはずである。

悩んで迷うことを恥じるよりもいつまでも殻に閉じこもって人の教えを乞わないことを恥じるべき。

人に無知を知られるより、知らないままにしている方が恥ずかしいという解釈。

これは高校生くらいの時から私自身意識していることです。

これから生きていく上で自分より賢くて能力の高い人なんて山ほどいる。

そんな人たちから学んだ方が効率がいいし成長が早いと感じたためです。

一瞬の恥か一生の恥か。

何でもないこと

平凡が非凡に通ずるというのも、この何でもないと思われることを、何でもなく平凡に積み重ねてゆくところから、生まれてくるのではなかろうか。

毎日の反省や改善から次回への新しい意欲を盛り上げる。

この何でもないようなこと、誰でもできることを平然と積み重ねるにはかなりの修練が必要である。

これを継続できるかどうかで非凡と平凡の差が生まれる。

オリジナルでなく誰もができること、それを積み重ねることが重要。

この短文からは、必殺技のような近道はなく、平凡で当たり前のことを当たり前にこなすことで

成長につながり非凡になる、ということを学べる。

毎日の小さな積み重ねこそが実力を伸ばす秘訣です。

転用

本書の重要な考え方は以下の3点。

  • 謙虚で素直になる
  • 人を大切にする
  • 向上心を持つ

最初に述べた通り、この3点の具体例が短文の中に凝縮されていると感じました。

まずこの3点を意識し、行動に移していくことで自分の道が切り開かれるのではないかと感じます。

そして取り組みやすいこととして、“見栄を張らず誰からも学ぶことができる姿勢”というのが

この3点が含まれる行動かと思います。

私自身、誰かと交流する時に1番意識しているのはこの人から学べることはないか、という点。

謙虚で素直になれば無駄なプライドを捨てることができ、誰からでも学ぼうとする姿勢は

他人を下に見たり無碍に扱うことができなくなり、向上心も養えます。

個人的にはこの姿勢が自分にぴったりだったので取り入れています。

まとめ

松下幸之助は謙虚で素直、そして周りの人・物を大切にする、理想像のような人です。

お金目的に走っていまいがちな資本主義社会ですが、人間の本質をとらえることが1番重要であると感じます。

綺麗事のように聞こえる内容ももちろんありますが、松下幸之助はそれを実行してきたため

松下電器を成長させてきたことは事実です。

これから出会う人・関わる人を大切にし謙虚で素直な姿勢を貫こうと思います。

残りの人生、自分だけの道をひらいていきましょう。