【書評】プロフェッショナルの条件:P.F.ドラッカー

今回はマネジメントで有名なP.F.ドラッカーの著書、『プロフェッショナルの条件』を扱います。

仕事に対するプロ意識というより、

自分という箱の中でどのように自分のプロフェッショナルになるか

ということを示唆してくれる本だと感じました。

もちろんその中には仕事で成果をあげるために必要なことがありますが、

根底にあるのは自分をよく知っているかどうかだと感じました。

そんなことを教えてくれる本書の一部を抜粋して取り上げます。

結論

最初に「プロフェッショナルになるには」という結論から紹介します。

  1. 貢献を考えて行動し、
  2. 相手にどのように憶えられたいのかを決める
  3. 決めたことに沿って行動する、やり抜く。

この3ステップによって仕事の成果、考え方、人との接し方など

人間が生きていくうえで欠かせない要素を自分の軸に当てはめて考えることができます。

プロフェッショナルになるには上記の3ステップで自分をよく知り、決めたことを実行する必要があります。

以下でより詳細に記載していきます。

成果を生み出せる人になる

成果をあげる人に共通しているのは自らの能力や存在を成果に結びつける上で必要とされる習慣的な力である。

成果をあげることは一つの習慣であり、習慣的な能力の集積である。

そして習慣的な能力は常に習得に努める必要があるため、習慣になるまで反復しなければなりません。

貢献に焦点を合わせる

どのような貢献ができるか」は自らの可能性を追求することでもあります。

立場・権限ではなく、組織全体の業績に責任を持ち貢献を考えることが重要なのです。

「どのような貢献ができるか」を自問しなければ目標を低く設定してしまい、間違った目標を設定してしまう。

そして自ら行うべき貢献を狭く設定することになります。

貢献に焦点に合わせることは責任を持って成果をあげるということであるのです。

自らの強み知る・生かす

自らの強みは何かを知ること、それらの強みを生かしていかにして強化するか、

自分には何ができないかを知ることこそ継続学習の要である。

誰でも自分の強みについてはよく分かっていると思っているが大抵は間違っている。

何かを成し遂げるのは強みによってであり、弱みで何かを成し遂げることはできない。

弱みを標準にするよりも強みに特化する方が効率もいいのです。

フィードバック分析

その強みを知る方法はフィードバック分析の一つしかないといいます。

何かすることを決めて、何を期待するかを書き留めておく。

その「予測の成果」と「実際の成果」を照合することで自分の強みが明らかになってきます。

この分析から以下の7つの行うべきことが明らかになり、自分の強みを知ることができます。

  1. 明らかになった強みに集中すること。
  2. その強みをさらに伸ばす。
  3. 知的な傲慢を正す。他の分野を軽視しない。
  4. 自らの悪癖を改める。
  5. 人への対応を改善する。
  6. 成果の上がらないことは行わない。
  7. 努力しても並にしかなれないことに時間を使わない。

時間を管理する

成果をあげる者は仕事からスタートせず時間からスタートする。

何に何時間取られているかを明らかにすることからスタートするのです。

時間というのは借りたり買ったりできず、あらゆるものの制約要因になるからです。

そして自分の時間を奪う非生産的な要求を退けます。

最後に、そうして得られた時間を細かいままにせず大きくまとめます。

時間を記録し、管理し、まとめるという3つの段階が成果をあげるための時間管理の基本です。

時間は希少な資源であり、時間を管理できなければ何も管理できないのです。

もっとも重要なことに集中する

成果をあげる人は最も重要なことから始め、一度に一つのことしかしない。

集中とは「真に意味のあることは何か」「もっとも重要なことは何か」という観点から

時間と仕事について自らの意思決定をする勇気のことです。

この集中こそ時間や仕事の従者となることなくそれらの主人となるための唯一の方法である。

正しく意思決定し、実行する。

意思決定において、何が正しいかを考える必要がある。

そしてその決定を行動に変えなければならない。

意志決定するだけでは成果は上がっておらず、誰か特定の人の仕事と責任になるまでは

いかなる決定も行われていないに等しい。それ以外はただの意図である。

優れたコミュニケーションをとる

良いコミュニケーションを取ることが重要なのは言うまでもありません。

コミュニケーションを成立させるためには受け手が何を見ているのかを知らなければならない。

そしてそれには個人の経験の共有が不可欠である。

相手がどのように考え理解しているのかを知る必要があるからだ。

一人一人の背景や人格、思考などを理解することが円滑なコミュニケーションを可能にし、

組織として貢献や成果をあげることができる。

何によって憶えられたいか

上記のこと、特に『貢献に焦点を当てる』ことを意識していれば、

自ずと自分の利益のための行動ではなくなってきます。

人や社会のために何ができるかと考えるからです。

自らの成長に責任を持つことで仕事に意義を持ち、信念や献身と深く関わる。

そして相手にどのように憶えられたいのかを意識することで自分の成長の核になると感じます。

転用

この本からは仕事や周囲の人に対する自分の在り方、考え方が学べます。

個人的に取り組みやすい点として、上記のポイントを全て実行しなくとも、

  1. 貢献を考えて行動し、
  2. 相手にどのように憶えられたいのかを決める。
  3. そして決めたことに沿って行動する、やり抜く。

この3ステップで取り組み方や考え方が変わると思います。

1番ハードルが高いのは3の行動する・やり抜く。

多くの人がもう十分と感じてやめてしまう中、成果を出す人はひたすら続けているのだなと感じました。

何事も習慣になるまでやり続けることがプロフェッショナルへの道だと認識しています。

踏ん張りが大事。

まとめ

初めに書いた通り、『自分自身のプロフェッショナルになる』という軸で考えてみました。

自分の強みや弱み・時間の使い方・感情の変化を知らないんだなと感じることが多くあり、

自分のことをもっと管理する必要があると感じました。

自分のことを知り、目指すものを決めて行動することで

自分自身を律することができるんだなと改めて感じました。

SNSの普及で世界を知り、感情が振り回され、

自分自身がよく分からなくなる場面が多い現代において改めて自分とは、を

考えるきっかけとなった本です。

興味があれば読んでみてください。

ドラッカーの本は外れません。